後見の杜代表の宮内康二です。後見の杜では、ドクター向けの後見サポート事業を開始いたしました。
その理由は、後見・保佐・補助という類型の違いを理解せず、診断書を書いている医師が多いと感じたからです。
ここ数年、患者さんのご家族から「実際より悪い診断書を書かれた(と思う)」という相談が急増しています。そのような場合、他の複数の医師にも診てもらうようアドバイスしています。
すると、多くの場合、後見・保佐・補助の判定がバラバラになります。平行して、ご本人と一緒に銀行へ行きお金を下ろせるか、買い物へ行き自分で選びお金を払えるか等の行為を確認しています。
類型がバラバラになるのは、類型の定義や区分が曖昧であることや判定の根拠となる項目が確立されていないこともありますが、「一番重い後見にして欲しい 」という”周囲の要請”に応えてしまう医師が少なくないことがほとんどです。福祉同様、類型は重い方が患者にとって得になると思い込み、良かれと思って「後見」にチェックするわけですが、
司法における後見=完全無能力者ですから、患者にとっては重いほど不利になるのです。裁判所が依頼した鑑定医においても誤解誤用が多くあることを確認し、多忙な医師に、正しい知識や参考になる情報を提供しようと思ったのがきっかけです。
医師向け事業を始めたところ、「自分の書いた診断書を見てほしい」、「自治体から類型を頼まれたがどう対応したらよいか」、「相談員に研修をして欲しい」という依頼もあり、わかっていなかったことを再確認しつつ、お役に立てて光栄に思う今日この頃です。