後見、保佐、補助で迷うのは当たり前。「補助」をすすめる理由

後見・保佐・補助・自立のどれにチェックを入れるか迷う医師は多いです。それもそのはず、区分が数量化されていないからです。

4つのなかで、後見にチェックするのは最も簡単です。後見は、お金に関することは、いつも、何に対しても、わからない状態だからです。

 例えば、千円札と五千円札を提示し、「どちらの方が高いですか」と聞いて五千円札を指すようであれば後見ではありません。スーパーやコンビニで買い物をしているなら後見ではありません。「施設に入って自宅が空き家になったのでどうしますか?」と聞き、「売る・売らない・子どもにあげる・ほっておく」と回答できるようなら後見ではありません。わかることやできることが一つでもあれば後見ではないからです。つまり、後見と保佐で悩むことはありません。

 これに対し保佐と補助の区分は難しい。いずれも、できる事とできないことが混在する状態だからです。

 保佐と補助で迷ったら、「迷わず補助にチェックする」とよいでしょう。その理由は、保佐と補助では裁判所への手続きが全く異なるからです。保佐(や後見)の場合、本人以外の人が開始の手続きをとることができますが、補助の場合、本人の同意がないと本人以外の人は開始の手続きを取ることができないことになっています。つまり、補助にしておくと、本人不在の開始手続きを防止することができるのです。

 補助と自立で迷ったら、当然、自立にチェックしてください。家族等の支援があっても、取引は自分で行っているからです。(後見の杜代表 宮内康二)

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