診断書「誤診」のよくある実例1 通帳のありかを忘れてしまうだけで「後見」

 患者は昭和10年生まれの単身女性、資料1は医師による診断書、資料2はケアマネによる本人情報シートです。

医師は、判断能力について「後見」をチェックしています。しかし、本人情報シートの記載内容や女性の生活実態(私も面談しました)からして、医師がしたチェックは間違いです。

後見は、お金に関することはいつも何もわからずできない状態と定義されています。したがって、何かしら、わかることやできることがあれば後見ではありません。

本人情報シートを見ると、確かに、通帳等を家のどこに置き忘れることがあるようですが、通帳等が見つかれば自分でお金をおろせています。これだけからしても、「支援を受けてもできない後見」であるはずがなく、「支援を受けないとできない保佐」や「支援を受けないと難しい場合がある補助」が妥当です。

現状では本人が金銭管理をしているが、通帳やキャッシュカード、印鑑、身分証明書などを紛失することがふえており、必要な時にお金を引き出せない状況になることがこれまで複数回あった。(ケアマネの本人情報シートより抜粋)

本人は現在の環境の中で生活したいと希望されている。身の回りことは自身で行えることも多く、今まで通り、医療や介護サービスを受けながら在宅生活を継続することが望ましいと考える。(ケアマネの本人情報シートより抜粋)

成年後見制度に詳しい精神科医師に診てもらったところ保佐となりました。他のドクターに診てもらっても後見と言うことは無いでしょう。主治医はホスピスの内科医ですが、診断書を書いた後になって、「私は専門じゃないからわからない」と言っており、「だったら書かなければいい」と思わざるを得ません。

そもそも、自分で後見相当と判断した人(=お金のことはいつも何もできない人)に診察代を請求し着金するのも矛盾です。頼む能力がない患者から頼まれて診断したと言っていることにもなり、やはりおかしな話になります。このような誤診は実に多い。

不実の診断書により損害を被ったと言われたり、訴えられないよう、いま頭にある知識や見解を軌道修正する必要があるのではないでしょうか。

 上記、誤診事例の医師による診断書はこちらからご覧いただけます。

 上記、誤診事例の介護支援専門員による本人情報シートはこちらからご覧いただけます。

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