成年後見制度利用者満足度調査を実施し、根拠ある改正議論を

ここ数年、成年後見制度の運用を見直す検討が行われています。しかし、内容を見ると、弁護士後見人等の報酬をあげる工夫や家庭裁判所の事務の簡素化が根底にあるような気がしてなりません。後見される人の意見やデータ不在の議論が良いわけないので、「成年後見制度利用者満足度調査」の実施を提案します。

成年後見制度の利用者は、現行制度が始まった2000年以降、60万人を超えています。そのうち現在利用進行中の方は25万人います。そこで、調査対象は、次の4グループに分けるのが良いでしょう。

・成年後見制度を使い終わった人×親族が後見人等をしていた人
・成年後見制度を今使っている人×親族が後見人等をしている人
・成年後見制度を使い終わった人×弁護士等が後見人等をしていた人
・成年後見制度を今使っている人×弁護士等が後見人等をしている人

4グループに共通して、まずは満足度を、3択で聞きたいです。

質問 成年後見制度を利用して満足ですか?回答 満足・不満足・どちらとも言えない回答が、満足なら何がよいのか、不満足なら何が良くないのか、どちらとも言えないのはなぜか、について自由記述して頂くことで、エピソードやニュアンスを把握できます。

「成年後見制度を使い終わった人×親族が後見人等をしていた人」には、「後見人として何をどのようにしたか、それは後見人にならないとできないことだったか」という内容をメインに、監督人が付いた場合はその業務と費用への評価、裁判所の事務対応に関する項目を用意します。

「成年後見制度を今使っている人×親族が後見人等をしている人」には、先の内容に加え、利用者から不評の後見制度支援信託に関する質問と、「後見制度を離脱する方法に、後見・保佐・補助の取り消しがあるが、それを知っていたか、また、やってみたいか」など、制度上用意されているにもかかわらず、多くの人が知らない、あるいは、関係者が知らせていない運用を提示し、利用者の反応を見るのが良いでしょう。

「成年後見制度を使い終わった人×弁護士等が後見人等をしていた人」には、後見人が誰だったか(弁護士・司法書士・社会福祉士・ほか)に加え、「後見人等がしたことは家族でもできたと思うか」、「後見人等の報酬として総額いくらかかったか」、「費用対効果をどう評価するか」等を聞くのが適切です。

「成年後見制度を今使っている人×弁護士等が後見人等をしている人」には、先の内容に加え、「途中からでも家族を後見人等にするよう裁判所に求める“後見人の増員の申し立て”を知っているか、してみたいか」などを提示し、どれくらいの人がどう反応をするかを数字で把握してみたい。

データを持っている裁判所がこの調査をすれば、効率よく調査できます。しかし、工夫すれば民間でもこの調査は実施できます。例えば、地元新聞と協力し、専用ホームページを作り、都道府県単位で実施するのです。

多くの人の目が入ることで、成年後見制度、すなわち、認知症高齢者や知的・精神障害者のお金の使い方に関する民度が向上することを、心より期待します。

成年後見制度利用者満足度調査(案)

質問1 成年後見制度を利用して満足ですか?
1 はい 2 いいえ 3その他

質問2 上記のように答えた理由(                       )

質問3 成年後見制度を使い終わった人×親族が後見人等をしていた人にお尋ねします。
3-1 主な業務内容は
3-2 上記は後見制度を利用しないとできないことでしたか
3-3 監督人がついた方はその業務と費用

質問4 成年後見制度を今使っている人×親族が後見人等をしている人にお尋ねします。(上記に追加)
4-1 後見支援信託を利用している場合は、その満足度
4-2 後見制度を離脱する方法に、後見・保佐・補助の取り消しがあるが、それを知っていたか、また、やってみたいか

質問5 成年後見制度を使い終わった人×弁護士等が後見人等をしていた人にお尋ねします。
5-1 後見人等の資格  1弁護士 2司法書士 3社会福祉士 4その他(    )
5-2 後見人の業務は家族でもできたと思いますか 
5-3 後見人等の報酬は総額でいくらでしたか
5-4 費用対効果について満足ですか

質問6 成年後見制度を今使っている人×弁護士等が後見人等をしている人にお尋ねします。(上記に追加)
6-1 途中からでも家族を後見人等にするよう裁判所に求める“後見人の増員の申し立て”を知っているか、してみたいか

法制審議会民法(成年後見等関係)の審議状況はこちらから

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